ストーリーはオトナ向け(レーティングはPG12です)ですが、異文化を学ぶという点でみるとけっこう面白い映画だと思います。

~えいごぐら~ English Storehouse

ステイ・フレンズ
原題はFRIENDS WITH BENEFITS
映画の情報はこちら(official site)

原題を直訳すると「利益付き友人」。もうちょっとこなれた言い方をすると「都合のいい友人」となります。が、英語の決まり文句としてこの場合の“benefit”は意味が限定されています。「都合のいい肉体関係のある友人」、つまりセックスありの友人関係ということ。
最近の日本語では「セフレ」というコトバがありますね。ということで、この映画のオフィシャルサイトでも「セフレ・ムービー」なんてキャッチフレーズを使っています。

でも、個人的に「セフレ」って、セックスしたい時だけ会ってヤることだけヤッて(苦笑)それだけの関係、というイメージがありますが、どうでしょう。 だから迷惑DMで出会う程度の人でいいんでしょ?
一方「friends with benefits」な関係は、きちんとした友情が成り立ってて、そのうえでセックスもする、という感じ。友達としての「好き(like)」はあっても恋人同士のような「好き(love)」ではないという、分かるような分からんようなにひひ感情の違いがあるんですね。まぁ、そのへんはこの映画のディラン(ジャスティン・ティンバーレイク)とジェイミー(ミラ・クニス)の関係を見ると「なるほど~」と思えるかもしれません。ジェイミーはズバリ「テニスをするような気分でセックスをする」関係と言ってます。

それにしても、今どきはこんなふうにセックスに対してドライに割り切る友情があるんだなぁ。
…と思いきや、そんなドライにはいかないのが映画なんですが(苦笑)。
このストーリー展開はまさに現代版『恋人たちの予感』です。根本的なテーマとしては普遍ですね。
この際、2作と比較して見てみるのもいいかもしれません。

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しかしこの映画、単なるラブコメではありません。ほかにも興味深い要素がいろいろあります。
まず一つがLA人気質とNY人気質の比較。私はアメリカに住んだことがないのでこの映画から受けた印象をもとに書きますが、LAの人はNYに対してコンプレックスを持っている(?)よう。いかに西海岸の大都市とはいえ、“都会度”でみるとNYには及ばないということでしょうか。NY人もLAの人をそんなふうに見ているようにも思います。LAから出てきてNYで働くことになったディランも、最初は「田舎から出てきたからって、ナメんなよ」(苦笑)みたいな気負いがちょっと感じられたし。
ディランがNYで働くことにしたのも、ディランが面接を受けにNYに出てきた時、ヘッドハンティングのエージェントだったジェイミーが「これがNYの凄さだ!!」と言わんばかりのNY見物をさせたのがきっかけだったのですが、それだけNYに住む人はNYに自信と誇りを持ってて、なにより「NYに住む」ということはアメリカ人にとってのステイタスでもある、という意識が強いんでしょうね。

ですが、ディランももちろんLAに対して愛着を持っています。ジェイミーをLAの実家に招待し、ジェイミーはLAの人たちの解放感と温かさに惹かれてます。

あ、でもこのシーンに行く前に面白い場面がありました(笑)
LAまでのフライトで、ジェイミーがfoul wordを口走ります(s*itだったかf*ckだったか忘れましたが…)。それを耳にした後ろの席の人がギョッとするんですが、ディランがすかさず「彼女はNYから来たんだ」と弁解をします。
この手の俗語、映画ではよく聞きますが実際LAの人はそんなに使わないんでしょうか。でもNYでは女性も平気で使う、というのがアメリカ人のLA人観、NY人観、なのかもしれません。

ちなみにNYに住む人のことをNew Yorkerというのに対して、LA人はAngelenoといいます。

また、この映画は現代社会の問題もさりげなく取り入れています。親の離婚、認知症の介護、学習障害など。
ディランは子どもの時計算が苦手で、大人になった今でも簡単な計算でさえできません。これは一種の学習障害といえます。
トム・クルーズは難読症(dyslexia)というのはけっこう知られていますが、これも学習障害の一つ。また、ハリー・ポッターで一躍有名になったダニエル・ラドクリフも「自分は運動障害」だと数年前に告白しましたが、欧米人はこの種の障害については堂々と告白しますね。私のイギリス人の友達も「自分は難読症」とサラッと言ってました。日本人はこういう障害を隠したがったり、障害があることを認めたり受け入れることさえできない人もけっこういますが、そういう態度と対象的だなぁと思います。

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